話せる・聞ける英語の勉強法6

[www.chikawatanabe.comで、2004年5月16日に掲載したblogの転載です。]

もう少しで10年来の知人になる村山尚武さんが、Ask Naotakeなる、「こういう時英語でどういったらいいんでしょう」という質問に答えるblog(!)を始めた。(彼は苦労して英語を習得した私と違って帰国子女なんである。)
「勘違いしちゃった」
「お疲れ様」
など、日本語では普通の表現をどうやって英語にしたらいいでしょう、という質問に答えるという、まさにお疲れ様blog。

この二つの質問は「英作文の練習より聞く方に時間をかけるべき」と私が思う理由の良い例でもある。

この二つの表現には直訳がない。

「勘違いしちゃった」は「しちゃった」のところにミソがあって、質問者の方いわく
『「あーごめんごめん勘違いしてたよ(てへっ)」的な軽めの表現』
を探されているとのこと。

対して答えは
『軽いものでも間違いを認めないのが(一般的な)アメリカ人ですので、「勘違いしちゃった(えへっ)」的な表現は無いのでは、と思います』
ということ。(アメリカ人が謝らないことについては謝らない人たちというエントリーを最近書きましたが。)

お疲れ様の方は、
『基本的には、英語圏では誰かが何かをした場合、「過程」の大変さについてはコメントは特に加えずに、「結果」をほめることによってねぎらうものだと思います。ですので、「ご苦労様」のニュアンスそのものが存在しないような気がします。』
との答え。

「お疲れ様」エントリーへのコメントにも書いた私の体験談なのだが、以前、飛行機でスチュワーデスの前の席(非常出口のとこ)に座った時、スチュワーデス(アメリカ人・白人・女)が彼女の日本の職場で最もびっくりしたこととして
「お疲れ様」
といわれたこと、をあげていた。(彼女は成田がベース(要は駐在員)で、日本語も結構できる。)

いわく、
My coworker said, "You are tired!"  Why should I be told I look tired?? なんて失礼な!!
と驚いた、と。
感じで言うと
「最近あんた老けたね」
と言われたように感じたよう。

そういえば昔、アメリカの新聞の人生相談に
『ウェートレスをしているのだが、ある日自分のテーブルの客が私をまじまじと見て「You look really tired. 」と言った。いえいえ、と言い返しても、何度も繰り返された。そのあまりの無礼に呆然とし、とても耐えられないので他の人に担当をかわってもらった。どうやって対応すべきだったのだろうか』
という質問が載っていた事もあった。

これはもう「文化」の問題。アメリカという国では(まぁ英語圏全体そうだと思うが)「相手が疲れるまで働いたことを指摘してねぎらう」という風習がなく、むしろ「失礼」にあたる。だから、お疲れ様、は「Good Job」と「結果をねぎらう」のが正解。

ちなみに、Common Japanese Business Phrasesという、英語を母国語とする人のための「ビジネス日本語を学ぶための本」によると、お疲れ様はやはり「Good work」。
さらに本では「お疲れ様」に関する説明が続く。いわく、

This phrase, one of the most commonly heard in the Japanese business world, conveys appreciative recognition of another person’s labors.(中略)The figurative intention is to assuage the other person’s fatigue and commend his exertions on the firm’s behalf.

なんだそうだ。こういう風に説明しないと、英語圏の人間は、なぜ日本人が相互に相手の疲れぶりを指摘しあうか理解できないのであろう。

ということで、日本語をそのまま英訳するには限界がある。最初から英語圏の人の会話を聞いて、そこから適切なフレーズを引っ張り出す、という作業が重要。なので「英作文」で知らない英語の表現を強引に作ろうとしても、おかしな結果になってしまうことが多い。もちろん、英作文は、理解レベルをテストする方法としてはよいし、やはりきちんとした文章を書くには、書く練習が必要。(日本語も一緒だが)しかし、優先順位としては「聞く・読む」の方がずっと重要。

ということで、「英語をたくさん聞くことなく、日本語表現を英訳しようとする」のは、「篭城したまま無理な要求を通そうとする」ような感じ。「日本語の概念」という城から、無駄な抵抗はやめて出て行くことが大事かと思います。

*****練習問題*****

cover
NPRのTalk of the Nationという番組のDatabase Nation
Talk of the Nation audio というリンクをクリックすると始まります。穴埋めは出だしのところ。前半簡単め、後半難しめです。

内容についてですが、Reasonという雑誌が全4万部を購読者一人一人にパーソナライズした、というもの。そのパーソナライズの仕方も怖くて、カバーには、「○○○(購読者の名前)、They know where you are!」と個人の名前が入った上に、購読者の家の衛星写真(左の写真の通り、ご丁寧に、家の周りに赤い丸)がフルカラーで印刷。中身のほうでも、購読者の近所の人たちの平均年収、平均年齢、学歴といったデータが入っているということ。衛星写真印刷はレーザープリンターを使っており、通常のカバーよりたった5000ドル余計にかかっただけだったそうです。

これだけのデータが溢れていて、誰でも入手できてしまう、という恐ろしさの裏側には、モノが安く手に入る、というメリットがある、とインタビューは続きます。詳細な個人情報がデータベース化されているがゆえに、家のローンですら数時間で審査が可能。こうしてプロセスが容易になったために、アメリカのローンの利率は安くなり、その他の様々なビジネスで経費が削減されて消費者はその恩恵を享受している、と。

とはいっても、いかに便宜があろうとも、この雑誌が配達されたら怖いでしょうね。

というわけで、練習問題です。Database Nation

In the latest issue of Reason ________, the headline screams, `Neal Conan, They Know Where You Are!’ And to prove it, there on the cover is a _________ image of NPR’s ____________, circled in red. This is not just a gimmick to catch a few __________ off guard, or maybe catch their _________. Later this week, more than 40,000 ___________ to Reason magazine will receive a ____________ copy with their own ____on it and their own ____________ displayed on the _____. This is all thanks to the rise of database __________.

Databases make many everyday transactions easier __ _______ information __ ____-__-_____ places. But, as Reason magazine illustrates, databases also make our private lives _ ___ ____ public. So where’s ___ balance? Are you _____ __ __ living in database nation? Or would you rather keep your ______ ______, your grocery list ___ ____ ____ private?

先週の答え
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